ps. I love you #476 『1時間が・・・』
2021-06-16
#476 『1時間が・・・』
ある夕日の奇麗な夕方・・・
「麻美といるとオレ・・・」
不意に健一が恋人の麻美に言った。
「1時間が60分に感じられるんだ」
「え!? ソレって・・・?」
「だーから~。 麻美といるとオレ、1時間が60分に感じられるんだょ」
「何、ソレ? 意味分かんない。 1時間って60分じゃん」
「ん? 分かんね?」
「ウン。 分かんない」
「なら、こぅ言い換えよう。 麻美といるとオレ・・・。 1時間が3600秒に感じられるんだ」
「え!? 何、ソレ? もっと分かんない」
「ホントに分かんね?」
「ウン。 ホントに分かんない。 どぅいぅ事?」
「つまりだなぁ。 1よっか60や3600の方が多いじゃん」
「・・・」
「だから~。 同(おんな)じ長さなんだヶど、同(おな)じじゃない。 つーこった」
「フム。 なるほど。 そぅいぅ事か?」
「あぁ」
「全く分からん」
「え!?」
「全く分からん」
「だからだなぁ。 オマエといるとオレは同じ時間でも何となく長く感じるって事なんだょ!! 分かったか!?」
「・・・」
「・・・」
ここで麻美が顔を上げ、ジッと夕日を見つめながら嘯(うそぶ)いた。
「♪ 夕焼け空(ぞら)が 真っ赤っ赤(まっかっか) 鳶(とんび)がクルリと輪を描いた ホ~ィのホィ ♪」
「・・・」
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