ps. I love you #246 『四番の意地』
#246 『四番の意地』
高3の春。
彼にとっては最後の試合。
甲子園目指した対抗試合。
9回裏、点差は3ゼロで相手リード。
しかし、ツーアウト。
でも、満塁。
一発出れば逆転サヨナラ。
カウント、ツースリー。
思いっきり振りかぶってから放たれた相手ピッチャーの剛速球。
当然、四番の意地、ホームラン狙いの彼。
狙いすませて思いっ切りスイング。
アニメ『巨人の星』のアームストロング・オズマの見えないスイング級の大振り。
しか~~~し、
(バスッ!!)
ボールは無情にもキャッチャーミットの中。
それと同時に、
(ゥー、ゥー、ウ~~~)
試合終了のサイレン。
バッターボックスから出る事が出来ず、その中にうずくまる彼。
小刻みに震える彼の体。
そんな彼を黙って見つめるアタシ。
ヶど、涙で曇って良く見えない。
そんな彼の周りに涙ぐみながら集まるチームメイト。
それに気付いて立ち上がる彼。
皆(みんな)泣いてる。
アタシも泣いてる。
チームメイトも応援団も・・・。
勿論、彼も・・・。
でもね。
ホームランは打てなかったヶど、アナタのスイングとその涙・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・アタシの心には見事なホームランだったょ、、、
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