ps. I love you #104 『25歳の秋』
2019-10-04
#104 『25歳の秋』
25歳の秋。
『あ!? この人・・・』
偶然街で、昔、愛し合っていたあの人とすれ違う。
チョット深めに被ったつば広のストローハット、それにマスク、サングラス姿のワタシに、当然、彼は気付かない。
そんな彼も、昔のチャラチャラしたカッコとは大違い。
オーダーメイドと思われる濃紺のビジネススーツに身を固め、靴は英国風の革靴。
長髪をグリースで固めたオールバックだった髪は、綺麗に櫛(くし)の入った七三分け。
それに右手にはアタッシュ。
パーフェクトなまでのビジネスマン。
しかもやり手っぽい。
一目では分からないほどのこの変わりように驚きながら、
『仕事は何してんのかな? そのカッコじゃ、もぅバンドはやってないょね? それに彼女は? 結婚は? 子供は? ・・・』
そんな事を思いながらすれ違う。
そのすれ違いざま、かすかに香るオーデコロン。
昔は、グリースだったのに。
そぅ。
時は静かに流れ、それがあの人を完璧なまでに変えていた。
ワタシの香りが……シャネルに変わったように・・・。
サヨナラ・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ワタシの青春、、、
そして・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・グッバイ・マイ・ラブ、、、
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