進撃のポチ( Counter-attack of POCUI ) #1725 『バーボン一杯1』
#1725 『バーボン一杯1』 (ただいま、ブログお引越し中)
(コレは、“ 2016.02.28 Sunday ” に書いた物(もん)でオジャリます DEATH ハィ:コマル)
【登場人物】
ポチ・・・アリスのお家の人間の言葉を喋(しゃべ)る超・高ビーな天才ニャンコ
有栖川呑屋コマル・・・当ブログ管理人
他
ある日・・・
コマルがみすぼらしい身なりで場末のバーにやって来た。
カウンターに着くとすぐにポケットから財布を取り出し、中身をカウンターに空(あ)けた。
百円玉一枚しか入っていなかった。
それを見せてバーテンダーに聞いた。
「これでバーボン一杯やれる~?」
「済みません。 それでは無理です」
「じゃぁさ。 アンタが納得するような珍しい物(もん)見せたら飲ませてくれる~?」
「物によりますね」
「あ、そう。 んじゃ」
そう言ってコマルが、背負(しょ)っていたリュックの中から一匹の猫を取り出してカウンターの上に置いた。
ポチだった。
そのポチにコマルが言った。
「悪(わり)ぃヶどポチ、一曲頼むょ」
「オゥ!?」
二つ返事でポチが店の隅にあったピアノの鍵盤の上に飛び乗り、四本の足を巧みに使ってベートーベンの『エリーゼのために』を引き始めた。
それを感心しながら見ていたバーテンダーが、
「あれならいいょ、一杯」
コマルにそう言ってコマルの前にグラスを置き、バーボンを注いだ。
それを旨そうに一気飲みしてからコマルが聞いた。
「もう一杯ダメかな~?」
「何か他の芸を見せてくれたらね」
「おk。 じゃぁ、今度はコレ」
そう言ってコマルがリュックの中から今度は小さなハツカネズミを取り出して、カウンターの上に置いた。
するとそのハツカネズミはカウンターの上にじっとしたまま、素晴らしい歌声でフランク・シナトラの名曲、あの『マイウェイ』を静かに歌いだした。
それを見ていた客のうちの一人が、
(ツヵツヵツヵツヵツヵ)
コマルの横に歩み寄りってコマルに聞いた。
「今手元にこれだけしかないんだが、これでそのネズミを譲ってくれないか?」
そう言って30万円差し出した。
「おk。 いいょ」
コマルが承知した。
30万円と交換にネズミを受け取った客が嬉々として店を出て行った。
その後ろ姿を見送ってからバーテンダーがコマルに聞いた。
「なんてもったいない事を!? 歌うネズミなんてディズニーにでも持ってったら、一体幾らの値が付くか!? お客さん考えた事なかったんですか?」
「うん。 歌うネズミの事は考えた事なかった。 歌う猫の事ならあるヶどね」
「え!?」
そしてポチを指差してこう言った。
「アイツ、腹話術も使えんだょ」
「・・・」
チ~~~~~ン!!!!!
ピュ~~~~~~~~~~
ピーピー ヒャララ ピー ヒャララ~
ドドンガ ドーーーン
チャカチャンチャン チャカチャカチャンチャン
ゴ~~~ン
カァカァカァ
メデタシメデタシ。。。
「ケケケケケ!!」
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#1725 『バーボン一杯1』 お・す・ま・ひ
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