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タイタン2011 #71

#71




羽・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・羽だった。

孔雀の羽だった。
それは孔雀の羽だった、ポセイドンのトライデントの切先に刺さっていた物は。
勿論、ヘラの放った。
孔雀はヘラの寵愛厚き鳥である。
ヘラはこの孔雀の羽を投げ、ポセイドンのトライデントの軌道を若干逸(そ)らせたのだ。
不良の命を救うために。
もっとも、トライデントの威力が余りにも凄まじかったため、残念ながら軌道を逸らせ切れずに不良は左腕を失ってしまったのだが。
それでも一命は取り止めた。
そしてこの羽はヘラの御神鳥の孔雀の羽ゆえ、ヘラ以外の者には扱えないのだ。
例えポセイドンといえどもだ。
その孔雀の羽が、


(クィッ!!)


ヘラが右手人差し指で引っ張る仕種をした事により、


(フヮッ)


ヘラの手に戻って来たのだった。
その羽を右手親指と人差し指でつまみ、もう一度、帰り行くポセイドンの後ろ姿に向かって、

「ご苦労じゃったな、ポセイドン」

ヘラが声を掛けた。
嫌味た~~~っぷりに。
それに対し、ポセイドンが振り向く事なく、

「フン」

小バカにするように鼻で笑った。
気まずさを隠すためにだった。
そして、


(スゥ~)


その場から消え去った。
アイオロスと共に。

その時・・・


(ガクッ!!)


不良の膝が折れた。
最早、不良は過度の緊張と疲労、そして出血多量で限界だったのだ。
そして意識が遠退(とおの)き、体勢を立て直す事も出来ず、そのまま海上に落下し掛かった。
透かさず、


(スッ!!)


ヘラが不良に近寄り、
素早く、


(ガシッ!!)


抱き止めた。

「人間!! シッカリせよ。 シッカリするのじゃ」

不良に声を掛けた。
瞑(つぶ)り掛けていた眼(まなこ)を僅(わず)かに明け、

「・・・」

不良が何かを言おうとした。
だが、声にならなかった。

「良ぅやった。 見事じゃったぞ、不良孔雀」

「ん!? どうして俺の名を?」

殆んど聞き取れないほど小さな声で不良が聞いた。
しかし、その答えを聞く前にそのまま気を失った。
それでも、その薄れ行く意識の中で不良は見ていた。
否、
見たような気がした。
目の前にいる女神ヘラの姿が一瞬、年老いた老婆の姿に変わったのを。

あの時・・初めてこの地にジャンプしてきた時・・アナウロス川で出会った・・・










・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あの老婆の姿に。











つづく







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