「戦略編」 【最終回】 #348 『総括6』の巻
2017-05-02
外道外伝 “妖女(あやしめ)” 第四部 「戦略編」 【最終回】 #348 『総括6』の巻
外道!?
そぅ・・・破瑠魔外道。
それは幼子の外道だった。
外道は母・死頭火との約束を破り、現身隠しの呪符を捨て、雪女の前に自ら進んでその姿を現した。
母・死頭火を守るために。
雪女を倒すために。
外道は死頭火が既に抜いていた神剣・軍駆馬をまるで子猫か子犬を抱くように抱(かか)え持ち、ワンフェイク入れて雪女を欺き、雪を踏みしめるのではなく雪面を滑るように走った。
否、滑った。
そしてそのまま一気に、雪女の懐に飛び込もうとしていた。
軍駆馬で雪女を刺し貫くために。
一方、雪女はその外道に背を向け、不覚にも再び我慢しきれず咳払いをしてしまった中道を探していた。
しかし、現身隠しの呪符を持つ中道は雪女には見えない。
確かにその辺りにいるのは分っているのだが、それが何処(どこ)かは雪女には分らない。
そして、雪女にモタモタしている余裕はなかった。
背後に外道が迫っているのは確かだったからだ。
もっとも、迫っているとは言っても所詮(しょせん)外道は子供、雪女にしてみれば焦ったり心配したりする程の事は全くない筈だった。
だが・・・
「まぁ良い。 何ヤツ(なにやつ)かは知らぬが、ソチの始末は後じゃ」
咳き込んだ相手に話し掛けるというよりも、自分が納得するかのようにボソッと一言そう呟(つぶや)いて、雪女は外道の迫り来る方向に振り返った。
だがその瞬間、
『ヌッ!?』
雪女の顔が引き攣(つ)った。
有り得ない事が起きていた。
そぅ、有り得ない事が・・・
まだ遥か先にいる筈の外道が・・まるで子猫か子犬を抱くような覚束(おぼつか)ない手つきで軍駆馬を抱(だ)き抱(かか)えていたはずの外道が・・軍駆馬を槍のように構え、既に目前、後一歩(あと・いっぽ)という所まで迫って来ていたのだ。
それも自分に向かって振り返った雪女の目を “キッ” と・・・
下から見上げ見据えて。
・
・
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第四部 「戦略編」 完
外道!?
そぅ・・・破瑠魔外道。
それは幼子の外道だった。
外道は母・死頭火との約束を破り、現身隠しの呪符を捨て、雪女の前に自ら進んでその姿を現した。
母・死頭火を守るために。
雪女を倒すために。
外道は死頭火が既に抜いていた神剣・軍駆馬をまるで子猫か子犬を抱くように抱(かか)え持ち、ワンフェイク入れて雪女を欺き、雪を踏みしめるのではなく雪面を滑るように走った。
否、滑った。
そしてそのまま一気に、雪女の懐に飛び込もうとしていた。
軍駆馬で雪女を刺し貫くために。
一方、雪女はその外道に背を向け、不覚にも再び我慢しきれず咳払いをしてしまった中道を探していた。
しかし、現身隠しの呪符を持つ中道は雪女には見えない。
確かにその辺りにいるのは分っているのだが、それが何処(どこ)かは雪女には分らない。
そして、雪女にモタモタしている余裕はなかった。
背後に外道が迫っているのは確かだったからだ。
もっとも、迫っているとは言っても所詮(しょせん)外道は子供、雪女にしてみれば焦ったり心配したりする程の事は全くない筈だった。
だが・・・
「まぁ良い。 何ヤツ(なにやつ)かは知らぬが、ソチの始末は後じゃ」
咳き込んだ相手に話し掛けるというよりも、自分が納得するかのようにボソッと一言そう呟(つぶや)いて、雪女は外道の迫り来る方向に振り返った。
だがその瞬間、
『ヌッ!?』
雪女の顔が引き攣(つ)った。
有り得ない事が起きていた。
そぅ、有り得ない事が・・・
まだ遥か先にいる筈の外道が・・まるで子猫か子犬を抱くような覚束(おぼつか)ない手つきで軍駆馬を抱(だ)き抱(かか)えていたはずの外道が・・軍駆馬を槍のように構え、既に目前、後一歩(あと・いっぽ)という所まで迫って来ていたのだ。
それも自分に向かって振り返った雪女の目を “キッ” と・・・
下から見上げ見据えて。
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第四部 「戦略編」 完
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